循環型運動連鎖
うねり運動のエクササイズ編を紹介します。パーソナルトレーニングのセッション中での、これらの実施はご希望の方のみですので安心してください。しかしうねり動作はすべての運動を支えているシステムです。ひと通り紹介しますので、もし、ひま過ぎて死にそうな時にはクネクネやってみて下さい。
そもそも、私がうねりに取り組むきっかけは、朝の日課で行っていた”ゆる体操”でした。クネクネ系がやたら気持ちよくて、数年後にはそれしかやらなくなり、結果クネクネを取り出して分解してみたら応用範囲が広大で、一体何なんだこれは!朝から何をやっているんだ!といった感じになりました。
結果色々な疑問が解決していっているという感じです。そんな訳でうねりエクササイズは”ゆる体操”の派生形ともいえます(勝手に)。
うねりエクササイズは、まず理論ありきではなく、心地よさを基準に自分の身体で確かめていったシンプルなエクササイズです。運動連鎖の体操ですので、正解は個々人の中にすでに存在しています。こうあるべきといった類の運動ではありませんので、あまり神経質にならずに適当にやってみてください。内部感覚のリリース系エクササイズです。
曲がってクネってうねり道!
エクササイズ実施のポイント
立位で行います。慣れるまで手は胸の前での合掌ポーズがやりやすいです。また、手を腰に当てて行うのは、腰部ユニットの動きを確認するのに有効です。
慣れたら両手は上下左右前後思い向くままに自由に動かします。足の位置や腰の高さも色々変えてみましょう。前後左右への歩行もありです。
テンポは、往復・サークル・8字でも、1~8秒くらいで一周する感じです。それより遅すぎると流れがと切れがちです。
頭の付け根、上部頸椎(環椎)のリラックスが超重要です。イメージは、紐で頭を上から吊られてる、頭と首の間に風船がある等々。全身を脱力させるポイントです。
体操中に頭が前後左右にぶれるのは、頭の付け根が固まっているからです。脱力していれば頸椎の上で頭部がすべりますのでブレは最小限です。
体軸がととのうことで、全身がリラックスし気血の流れが促進され体がポカポカします。
うねり動作のドリルとなり、身体が動的にまとまっていきます。
スポーツや日常生活でのうねりは「一瞬」「微妙」なため気が付きにくいです。特に格闘技系では動きが隠れています。
加齢とは、身体から「うねり」が消えていくことです(涙)。
気持ちよくなかったら何かがまちがっているので、うねりのことはもう忘れましょう。
10級 上下うねり
上から下、下から上に順番に玉突き運動のように、エネルギーを先に送るイメージで行います。
下のキュートなアニメーションでは、7つの円で支点を表現しました。それぞれのスペースが狭まって広がってを順番に時間差で繰り返しているのがわかります。丁寧におこなうと脊柱のS字カーブを感じることができるはずです。
地面にしっかりと立つグランディングの感覚が得られます。スポーツ動作で地面反力を使う際にとても大切です。
9級 左右うねり
体軸を中心に胸部と腰部が左右交互に入れ替わります。胸を意識すれば腰は自然とこのようなカウンターバランスの関係になります。頭も少しは動きます。
8級 左右サークル
左右+上下。
胸が回れば腰も自然に回ります。
時計回り例です。
腕を左右に広げると右から波を受ける感じに波打ちます。右指先から左指先に波が抜けます。
7級 左右8字
左右+上下+左右軸
中央の体軸の左右に軸をつくることで横に倒れた8字うねりができます。∞(無限記号状)。
左右の軸は立位だと股関節の上、座位だと座骨結節の上にできます。
肩甲骨も腕も同様に8字運動に参加します。
アニメーションは内8字方向ですが外8字も同じようにできます。
トカゲなどの爬虫類の移動様式です。
6級 前後うねり
体軸を中心に胸部と腰部が前後交互に入れ替わります。胸を意識すれば腰は自然とこのようなカウンターバランスの関係で動きます。
5級 前後サークル
前後+上下
前回り例です。胸が回れば腰も自然に回ります。
水泳のドルフィンキックでのうねり方です。或いは四足動物の疾走のとき。
4級 前後8字
前後+上下+前後軸
中央の体軸の前後に軸をつくることで横に倒れた8字うねりができます。
アニメーションは内8字方向ですが外8字も同じようにできます。
イルカのうねり方です。イルカは人間のドルフィンキックと違って、上にも下にも水を蹴って進めますので自在かつ強烈に推進します。
3級 回転うねり
左右+前後 = 回転のうねり となります。
下のアニメーションのように上からみると円を描きます。胸部と腰部ユニットはお互いにバランスをとっています。
応用として、回転 + 上下 = らせんのうねり があります。運動エネルギーが回転しながららせんとなり体軸の周囲を上下します。
2級 縦8字回転
回転+前後軸
回転の発展形です。回転を身体の前後に2つつなげると、上から見て8字ができます。
中央の体軸の前後に2本の軸を追加します。前後の軸にできた2本の逆回転の回転をつなげると8字ができます。
応用として、縦8字+上下もできます。運動エネルギーは、前後にできた軸に沿って2本のらせん状になり上下します。
1級 横8字回転
回転+左右軸
回転の発展形です。身体の左右の回転を2つつなげると、上から見て8字ができます。
中央の体軸の左右に2本の軸を追加します。左右の軸にできた2本の逆回転の回転をつなげると8字ができます。
応用として、横8字+上下もできます。運動エネルギーは、左右にできた軸に沿って2本のらせん状になり上下します。
ブラックベルト 横8字回転&左右8字
回転+左右軸(1級)+左右8字(7級)
ここで初めて8字が3D化し、上から見ても、前からみても8字があらわれます。
左右8字をしながら肩を左右交互に前や後ろに回せば簡単にできます。
スポーツ動作で最も多用される最重要なうねりです。スポーツは人間にしかできないわけですね。
アニメーションは内8字、肩は前回りですが、オーバーハンドの投球動作、背負い投げ、球技でのサービス、フックパンチ、テニスのフラット系ストローク、袈裟斬り、自由形クロール等全て同じ系です。
外8字では、テニスのスピン系フォア・バックハンドストローク、アンダーハンドスロー、アッパーカット、ゴルフスイング、タイキック、背泳ぎ等が同じ系です。
8字のどこのカーブを使うかによって動作は変わりますし、胸ユニットか腰ユニットのどちらを強調するのかによっても動きは変わります。
この運動連鎖では、腕を伸ばして手のひらを合わせると、身体の前で8字を描きます。
そのまま、両手のひらを離して左右に腕を伸ばせば側方から見て8字を描けます。
(側方から見て円と8字、どちらでもできます)
うねり道 最終奥義!全部のせ
縦8字回転 & 横8時回転 & 左右8字
回転・左右軸(1級)+回転+前後軸(2級)+左右8字(7級)
最も多くの8字が現れるエクササイズです。
上から見ても、前からみても、横から見ても8字が多くあらわれます。10級からブラックベルトまで、すべてのうねりが統合された形ですが、どういった場面でこれが現れるのかは謎です。存在する意味があるのか現在調査中です。
中央の体軸に、うねりと軸をトッピングしていくのがうねりエクササイズの基本構造です。中央の体軸がライスで上下左右の軸やその軸に沿ったうねりはカレールーやカツなどのトッピングです。これは、いわばカレーのトッピング全部載せみたいな感じですね。
ドーーーーーン、カレールゥすら見えない。
【補足】
連結部分を含めてうねりエクササイズです。
切り返し・・・サークル運動での時計回りから逆まわりへの切り返し。8字での内回りから外回りへの切り返し。切り返しをサークルや8字のどのタイミングで行うのかで趣は変わります。
転調・・・前後うねりから左右うねりへのスイッチなど。フェイント動作につながる要素です。
手足(四肢)
前後や左右、サークル、らせん、8字のうねりは、肩甲骨や骨盤をとおして四肢へつたわっていきます。
上肢も空中で波打ち、回り、8字を描きます。
下肢も立位だとわかりずらいですが、片足立ちで8字系をやってみると浮いている方の脚は空中で8字を描きます。
体軸
「最終奥義、全部載せ」の上から見たアニメーションが分かり易いと思いますが体軸はうねりの中心に必ず現れます。うねりエクササイズは、いわゆる軸感覚をつくるエクササイズとなりえます。
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